自宅でできる歯周病治療

歯周病の治しかた 自宅でできること

近年、歯周病で悩む人たちが増えています。ドラッグストアでは「知覚過敏」「歯周病ケア」「歯ぐきケア」・・・といった、歯周病関連グッズに関する文字をたくさん見かけるようになりました。

歯周病は、誰もがなりたくてなるものではありません。知らないあいだに自覚症状なくして進行してしまう病気のため、恐怖心をもっている人が多いのではないでしょうか。しかし正体不明の病気ではありません。今回は、歯周病を治すために自宅でできることをメインにお伝えします。

歯周病の原因は4つの理由にわけられます。

  • 歯周病菌が感染を引き起こすため
  • 抵抗力が下がっているため
  • よくない生活習慣のため
  • くいしばりやはぎしりのため

もし感染してしまっていても、これら一つひとつにうまく対処していくことで、歯周病の進行を遅らせることができるだけでなく、進行を予防したり、場合によっては回復してくることさえあります。

これら歯周病の原因にご自身で対処することを「セルフケア」といいます。

歯肉炎

目次

歯周病菌を除去するプラークコントロール


歯を磨かないでいると歯の表面にザラザラとくっついてくるプラークは、食べかすではなくばい菌の塊です。このプラークが成熟すると歯周病菌の割合が急に増えることがわかっています。
カラダも唾液などで洗浄しようと抵抗しますが、プラークが歯と歯ぐきの境目に入り込むとやがて、歯周ポケットを形成し、歯周病が進行することになります。歯周病の主原因はこのプラークです。

歯周病で最も大切なのは、プラークコントロールです。プラークを自分で落とし、量をコントロールできることをプラークコントロールといいます。
食べかすではなく、ばい菌を落としているのだという意識をもちましょう。

セルフケアの中心となるのは毎日のブラッシング

日本人は世界一ブラッシングをしているといわれています。職場で歯磨きをする人が増え、完全に定着しているといえます。
それでも、日本中で歯周病になってしまう人が増え続けているのはなぜでしょうか。

じつはブラッシングは、

  • ブラシのデザイン
  • ブラシを使用する技術
  • 使用する頻度とブラッシングの時間

たったこの3つで効果が決定してしまいます。これらたった3つのことが間違っているせいで、せっかくのブラッシングの効果が半減してしまっているかもしれません。

ブラッシングについては、たいていの場合は親にやり方を教わるので、親のやり方でやっていることが多いのです。親が間違った方法でブラッシングしていた場合、気づかないうちに間違ったブラッシングしている可能性が高いのです。

まずは、正しいブラッシングを知ることからはじめてみましょう。

ブラシの選び方
  • 毛がナイロン
  • 植毛が3列以上
  • 硬さはふつうかやわらかめで硬めは使わない
  • ヘッドは小回りがきくサイズ
  • ハンドルは長く豊隆があるほうがよい(サイズは年齢・器用さによる)

ただし、特別な歯ブラシのデザインが優れているということはありません。一人ひとりお口や歯のサイズ、歯並びは違いますから、かならずご自身にあったものを見つけるようにしてください。
たくさん種類があり、歯科医院専売の歯ブラシも数多くありますので、どうしても迷ってしまう場合は、かかりつけの歯科医院で担当歯科衛生士と一緒に決めるのがオススメです。

もっとも重要なのは歯ブラシの寿命です。
穂先の曲がったほうきだと使いものにならないのと同じで、毛先の開いた歯ブラシは交換して、開かなくても1ヶ月を目安に交換してください。新しいもののほうが古いものよりプラーク除去がかんたんです。

歯ブラシとはべつに、タフトブラシという磨き残し対策に有効なブラシを使うのがオススメです。かんたんに歯ブラシでは届きにくい部分にピンポイントであてることができます。

ブラッシングの方法

すべての人にあてはまるわけではないですが、

基本は、ペングリップ(鉛筆もち)で、歯肉のラインにブラシの角をそわせ、歯の間に軽くさし込み、抜けないように歯の表面と歯間部分を小刻みに水平に振動させるように動かします。
これを歯1本あたり20往復ずつあてるのです。歯の表面・裏面・咬む面すべて磨きます。歯ぐきは磨きません。

何よりも重要なのは、歯ブラシのあて方です。
ほうきと同じで、毛先が当たった部分しか磨けません。ほうきの側面ではくことができないのと同じく、歯ブラシも毛の側面では磨けないのです。

歯はそれぞれサイズが違いますし、人によって歯が重なっていたり歯並びも違い、器用さも違います。残さず磨くための工夫もそれぞれ違います。
うまくブラシの角を使って、磨き残しがないように磨きましょう。磨きづらい部分が歯周病になりやすいので、磨きづらい場所こそ時間をかけてしっかりと磨きましょう。

ブラッシングの回数と時間

最低1日に1回は行うべきで、推奨は2回です。毎食後がベストです。
しかし、回数よりもブラッシングのクオリティのほうがはるかに重要なのを覚えておいてください。成人の平均ブラッシング時間は多めにみつもって30〜60秒の範囲内です。きちんと磨くと最低5分はかかりますので、5分を目安にていねいに磨くようにしましょう!

デンタルフロスと歯間ブラシ

アメリカでは歯間部の清掃器具の使用率74%あるのに対して、日本では39%です。

じつは、歯ブラシだけでは歯の間はほとんど磨けないのです。
歯周病は、歯間部から始まる病気です。ですから、かならず歯間部の清掃器具を同時に使わないといけません。日本人の歯周病有病率が増加しているのは、歯間部を清掃していないことが原因です。

フロスは、歯間部のプラークの80%以上を除去する能力があります。歯間ブラシも歯の間専用の器具です。どちらかの器具を使って歯の間を常にきれいにしておくことが、歯周病の予防にも治療にも有効です。
歯ブラシや歯間ブラシにプラークがこびりついてくるのを見ると、ブラッシングだけでは不十分だということを理解していただけると思います。

ただし、その扱いには注意してください。使い方を間違うと歯肉を傷つけることになり、知覚過敏を起こしたり、健康な歯肉を失う原因になってしまいます。

正しい扱いにはトレーニングが必要なので、無理せずかかりつけの歯科医院で教わることを強くオススメします。

歯磨き剤とマウスウォッシュ

歯磨き剤やマウスウォッシュだけでは、歯周病は治りません。
このことを前提に、歯磨き剤についてお伝えします。市販の歯磨き剤には複数の薬剤が入っていることが多く、また濃度もうすくなっています。いっぽう、歯科医院専売品の歯磨き剤は、1つの薬効に限定していたり成分の濃度が高く設定されています。

また、1回目は歯磨き剤をつけずにブラッシングし、2回目に歯磨き剤をつけてブラッシング後、薬効成分を洗い流さない程度に軽くゆすぐ程度にする「2回法」がオススメです。

マウスウォッシュは、ブラッシングの効果を高める効果があります。ブラッシングのみの場合よりも、プラークの除去効果が高まります。ただし、マウスウォッシュだけではプラークは除去できません。
歯磨き剤とおなじく、市販のものと歯科医院専売品では殺菌成分やその濃度が違います。

歯周病対策を徹底したい人は、どれが自分にあっているか歯科医院で相談してみるのがよいでしょう。

抵抗力をつける

免疫力の低下は歯周病が悪化する大きな原因です。ストレスをためないことや栄養をしっかりと管理する、水分をとる、ウォーキングなどの軽い負荷のかかる運動をする、日光を浴びる(ビタミンDをえる)、睡眠時間をしっかりとる、糖尿病などの全身の病気をしっかり管理する、などがあります。

腸内細菌を整える

免疫は、腸が最も大きく関係してきます。腸内細菌は約100兆個も存在し、よくいわれる善玉菌と悪玉菌があります。どんなに栄養を管理しても腸がうまく吸収してくれなくては、意味をなしません。腸を整える方法にはいくつかありますが、空腹時間をコントロールする方法やプロバイオティクスと呼ばれるロイテリ菌などの乳酸菌をサプリから摂取する方法があります。

腸内細菌を整えることで、歯周病だけでなく、ガンなどのあらゆる全身の病気をよせつけないことにつながります。

生活習慣を変える

最も恐ろしいのは喫煙です。プラークなど直接の原因以外で最大のリスクは喫煙です。喫煙者は、非喫煙者の2.8倍歯周病になりやすく、ヘビースモーカーであればあるほど歯周病は重症になります。また、歯周外科などを駆使して歯周病を徹底的に治療しようとしても、治癒が遅くなり、再発しやすいのです。

たばこの中でも、けむりの出ないたばこだったら害がないと思われているかもしれません。
たしかに、ニコチンやタールが発生しないとされていますが、たばこには本来約 4,000 種類の化学物質が含まれ、そのうち発がん性のものを含めて約 200 種類が有害物質です。けむりの出ないたばこは、まだまだ未知が多いため、歯周病だけでなく体のためにも禁煙することをオススメします。

抵抗力をつけるのと重複しますが、運動をしていない、食生活が乱れているなど、全身の健康状態が悪化しやすい生活習慣を規則正しいリズムの生活習慣へ改善することで、歯周病の悪化が防げます。

食いしばりや歯ぎしりなどの強い力から歯を守る

歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちに歯に数百Kgという大きな力をかけているといわれています。
また、歯周病で歯の周りの骨が損なわれているところに大きな力が加わることで、歯周病の進行を加速してしまいます。つまり、歯周病の悪化を加速する原因としては最悪のものといっても過言ではありません。

まずは、日中の歯の接触を意識し、接触していたら10秒間最大までお口を開けるストレッチをオススメします。アキレス腱を伸ばすのと同じで、口を閉じる筋肉が伸びることでしばらくの時間噛まずにリラックスできます。

また、歯ぎしりや食いしばりはストレスと関連しています。人間は都会に住んでいるかぎり、日々ストレスを感じています。解消法としては、できるだけ自然を感じることが重要で、公園を散歩したり、週末は少し遠出して山でバーベキュー、これらが難しい場合、スマホの待ち受けを自然にしたり、自然のサウンドをイヤフォンやスピーカーから聴くだけでも効果があります。

それでも、食いしばりや歯ぎしりが強い場合は、かかりつけの歯科医院で夜寝る時用のマウスピース(ナイトガード)を作ってもらい、つけて寝ることをオススメします。

まとめ

これらすべてをまとめて、セルフケアといいます。歯周病は歯科医師だけでは治せません。
今回紹介させていただいた、ご自身によるプラークコントロールを中心とした「セルフケア」と歯科衛生士による専門的な「プロフェッショナルケア」、より本格的な歯周外科を含めた「治療」を組み合わせて協力しあうことによって、歯周病の進行をおさえることができ、最終的に治癒します。

治癒後はよくなった口腔内を維持するために定期的なメインテナンスを行います。
歯周病は長期の管理が必要な病気で、生活習慣病の1つです。定期的な管理下にない自己管理だけでは、プラークやほかの原因除去ができずに必ず再発してきますので、一生付き合っていける信頼できる歯科医院を見つけるのを強くオススメします。

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